アメリカのNASAの発表によると、同国の宇宙飛行士フランク・ルビオ氏が、同じく宇宙飛行士のセルゲイ・プロコピエフ氏とドミトリ・ペテリン氏(ロシア宇宙局)と共に、371日間に及ぶ長期間の宇宙滞在を終え、2023年9月27日に地球に無事帰還しました。

ルビオ氏らはカザフスタンの町、ジェズカズガンの南東でパラシュートを使って着陸しました。ルビオ氏が達成した371日間の宇宙滞在は、アメリカの宇宙飛行士による最長の滞在期間となり、これまでの記録(355日間)を更新しました。

NASAのビル・ネルソン管理者は、「フランクの記録的な宇宙滞在は、単なるマイルストーンではなく、長期間の宇宙ミッションに関する我々の理解に大いに貢献するものだ」と述べ、ルビオ氏の貢献を称えました。

ルビオ氏は、2022年9月21日に初めて宇宙へ旅立ち、その間に約5936回の軌道周回と、月と地球を往復328回分に相当する約1億5700万マイルの旅を達成しました。その間、15回の宇宙船の到着と14回の出発を目の当たりにしました。

ルビオ氏の長期滞在は、NASAがアルテミス計画を通じて月への人類の復帰を計画し、火星探査の準備を進める中で、長期間の宇宙滞在が人間にどのような影響を及ぼすかを研究する機会を提供します。

ルビオ氏とプロコピエフ氏、ペテリン氏はソユーズMS-22で打ち上げられましたが、冷却剤の漏れが発生したため、ソユーズMS-23で地球に帰還しました。

着陸後の健康チェックを終えたルビオ氏は、カラガンダからNASAの飛行機でヒューストンへと帰還する予定です。彼の滞在期間中、様々な科学活動を行い、植物研究から物理科学の研究まで多岐にわたる業務を遂行しました。

ソユーズMS-23のドッキング解除により、国際宇宙ステーションではエクスペディション70が正式に開始されました。NASAの宇宙飛行士ローラル・オハラ氏とジャスミン・モグベリ氏、ESA(欧州宇宙機関)のアンドレアス・モーゲンセン氏、JAXA(日本宇宙航空研究開発機構)の古川聡氏、ロシア宇宙局のコンスタンチン・ボリソフ氏、オレグ・コノネンコ氏、ニコライ・チューブ氏が宇宙ステーションに残っています。

モーゲンセン氏、モグベリ氏、古川氏、ボリソフ氏は2024年2月に地球に帰還予定で、その後NASAのスペースXクルー8のクルーメンバーが交代します。オハラ氏は2024年3月に地球に帰還予定で、一方、コノネンコ氏とチューブ氏は1年間宇宙ステーションに滞在し、2024年9月に帰還予定です。

Source: http://www.nasa.gov/press-release/record-setting-nasa-astronaut-crewmates-return-from-space-mission