水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功

日機装株式会社(本社:東京都渋谷区)は、水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功したと発表しました。これは、極低温の状態で小型電動モータによる高速回転を実現し、液化水素を送り出すという世界初の試みで、川崎重工業株式会社からの委託によるものでした。日機装は、この開発を通じて2025年度にポンプの納入を目指しています。

水素航空機は、二酸化炭素を排出しない水素を燃料とし、脱炭素社会の実現に向けた次世代の航空機として注目されています。川崎重工業は新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業」に「水素航空機向けコア技術開発」を提案し、採択されました。その一環として、日機装は液化水素ポンプの開発を担当しています。

日機装が開発した液化水素ポンプは、液化水素を燃料タンクからエンジンポンプへと昇圧して送液するブースタ・ポンプです。航空機用ポンプは小型・軽量であることが求められ、また水素は低密度で昇圧しにくいため、高速回転の電動モータを開発し、必要な圧力や流量を確保することを目指しました。

実験はJAXA角田宇宙センター(宮城県角田市)で行われ、設計通りの良好な結果を得ました。これを基に、さらなる小型・軽量化と長寿命化を目指して、試作機の改良が行われます。日機装は、この研究・開発を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

日機装は、1953年に創業し、産業用特殊ポンプ・システム、医療機器、航空機部品等の製造・販売を手がけています。

Source: PR TIMES