アメリカのNASAの発表によると、NASAの29回目となるSpaceXによる商用補給サービス(CRS)ミッションが科学実験や技術実証を携え、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて飛行する予定だそうです。このミッションでは、高度な光通信の研究や大気波の測定などが行われます。無人のSpaceX Dragon宇宙船は、NASAのケネディ宇宙センターから2023年11月5日以降に打ち上げられる予定です。

今回のミッションでISSへ運ばれる研究の一部について詳しく見ていきましょう。

まず、「宇宙からのレーザー通信」についてです。NASAのILLUMA-T調査では、宇宙ステーションでのデータ通信能力を強化するための技術が試験されます。ステーションの外部に取り付けられた端末は、レーザーまたは光通信を使用して、高解像度の情報をNASAのレーザー通信リレー実証(LCRD)システムに送信します。LCRDは地球の静止軌道上に位置しており、送信されたデータをハワイのハレアカラとカリフォルニアのテーブルマウンテンにある光地上ステーションにビームします。

次に、「大気中の波の観察」についてです。NASAのAtmospheric Waves Experiment(AWE)は、大気重力波(AGW)の特性、分布、動きを測定するための赤外線イメージング装置を使用します。これらの波は、空気が乱れると地球の大気を通過します。

また、「宇宙飛行による卵巣とエストロゲンシグナル機能不全、適応、回復」についての基礎科学調査も行われます。この調査は、宇宙飛行、栄養、環境ストレスの組み合わせ効果が排卵の制御にどのように影響するかをよりよく理解するための先行研究を進めます。

さらに、ESA(欧州宇宙機関)からの調査「Aquamembrane-3」では、宇宙ステーションでの水回収に使用される多段ろ過ベッドをAquaporin Inside Membrane(AIM)と呼ばれるタイプの膜で置き換える評価が続けられます。

最後に、ISS National Labが後援する「Gaucho Lung」では、呼吸器系の粘膜がどのように少量の注入液に携行される薬物の配達に影響を及ぼすかを調査します。この研究は無重力で行うことで、関与する要素を分離することが可能となります。

これらの実験に関する詳細な情報は、NASAのデータベースで閲覧することができます。

Source: https://www.nasa.gov/missions/station/iss-research/nasas-spacex-crs-29-mission-flies-research-to-the-space-station/