ヨーロッパのESAの発表によると、10月30日にESAは宇宙食に関するプレスリリースを出しました。長期宇宙ミッションに向けた健康で持続可能な食料の提供は大きな課題の一つだと述べ、この問題に取り組むためにESAは2つの研究チームに培養肉の宇宙での可能性について調査を依頼しました。
主な目的は、生きた動物細胞をバイオリアクターで育てる培養肉が、宇宙で生産できるタンパク質源として実現可能かどうかを判断することでした。過去1年間、ドイツのユーリ社とロイトリンゲン大学で構成されるチームと、イギリスのケイサースペース、セルラー・アグリカルチャー、キャンプデンBRIで構成されるチームは、ESAの基盤活動のディスカバリー要素から資金提供を受け、このアイデアをさらに発展させる機会を得ました。
培養肉は長距離宇宙ミッションで新鮮で親しみやすい肉製品を現地生産できる可能性があります。ESAのエンジニアパオロ・コラーディは「焦点は地球から遠く離れた長期ミッション中の宇宙飛行士に栄養豊富な食料を提供することで、通常2年の保存期限のある従来の包装食品の限界を超える」と述べました。宇宙では資源が限られるため、現地で新鮮な食料を生産する必要があり、ミッションのレジリエンスと自給自足性を高めることができ、クルーの心理的支援にもなるとのことです。
両チームは独立して作業を行い、宇宙で研究されている植物や藻類など既存のタンパク質食品源と比較。異なる培養肉生産方法とバイオリアクター技術を提案しました。結果は有望だと結論付けられました。パオロは「両チームとも似た結論に達し、宇宙での培養肉生産の可能性についてさらなる研究が必要だと提言した」と述べました。
ESAは宇宙船内でのバイプロセスと代謝資源利用の技術向上にも取り組んでいます。今後も研究が進められると見られますが、現時点では宇宙食として実用化するにはまだ課題があるとのことです。