アメリカのNASAの発表によると、NASAのルーシーミッションは11月1日に小惑星ディンキネシュに最初の接近を行う予定だが、その前に研究者は13年前の宇宙望遠鏡WISEの赤外線データを活用して、この小惑星のサイズと表面の反射率(アルベド)に関する情報を精緻化した。

WISEは2009年12月14日に打ち上げられ、宇宙全体の赤外線マップを作成するために全天をスキャンしたが、2010年3月にディンキネシュの領域を撮影した際に、この小惑星からの弱い信号を捉えていた。アリゾナ大学の研究者は、これらの露出画像を17枚抽出し、位置合わせと積算処理を行うことで、小惑星からの信号を分離することに成功した。

この解析結果から、ディンキネシュの直径は約760メートル、アルベドは石質小惑星に特徴的な値であることが判明した。ルーシーミッションの目的は、木星トロヤ群小惑星の調査であるが、この小惑星に最初の接近を行うことで、後続の観測で必要となるトラッキングシステムの試験も兼ねる。小惑星ディンキネシュの観測は、主要輪域内の小型小惑星や潜在的に危険な近地小惑星に関する知見を深める上で重要だと研究者は期待している。

Source: https://www.nasa.gov/missions/lucy/data-from-nasas-wise-used-to-preview-lucy-missions-asteroid-dinkinesh/