アメリカのNASAの発表によると、10月30日にNASAのX線望遠鏡が宇宙の「幽霊の手」の「骨」を明らかにしたと報告されました。

NASAのチャンドラX線観測衛星と新型X線偏光観測衛星(IXPE)が、銀河系内で1,500年前に生まれた中性子星から放出される高エネルギー粒子によって形成された「手」の形をしたパルサー風ブレーゼMSH 15-52の磁場構造を明らかにしました。

IXPEによる17日間に及ぶ観測では、MSH 15-52内の磁場方向をマッピングすることに成功。特に「手のひら」部分では磁場が直線的で乱れが少ないことから、粒子が高エネルギーになるメカニズムが解明されました。

一方、「手のひら」から下向きの「手首」部分に向かう明るいX線ジェットでは、磁場が複雑に絡み合っている部分があることも判明。粒子が高エネルギー化する場所とそれが流れ出す場所では磁場の性質が異なることが示唆されました。

研究者は、この結果からパルサーが粒子加速器として機能するメカニズムの理解が深まったと結論付けています。IXPEによる今後の観測から、パルサー風ブレーゼ全体の磁場構造の解明が期待されます。

Source: https://www.nasa.gov/missions/chandra/nasa-x-ray-telescopes-reveal-the-bones-of-a-ghostly-cosmic-hand/