アメリカ航空宇宙局(NASA)が11月1日に発表したプレスリリースによると、2023年の南極オゾンホールは9月21日に最大面積1,000万平方マイル(2,600万平方キロメートル)に達し、1979年の観測開始以来12番目に大きな単日のオゾンホールとなった。9月7日から10月13日のオゾン減少ピーク期間の平均面積は890万平方マイル(2,310万平方キロメートル)で、北アメリカ大陸とほぼ同じサイズだった。

NASAのオゾン監視チームリーダー、ポール・ニューマン氏は「非常に控えめなオゾンホールだ」と述べ、人為的に作られた塩素化合物の減少と南極の活発な成層圏の天候がオゾン層の改善に少し役立ったと説明した。オゾンホールはオゾン濃度が歴史的な220ドブソン単位を大きく下回る南極大陸上空の領域を示す比喩的な表現で、完全にオゾンが存在しない空洞を意味するわけではない。

NASAと米国海洋大気局(NOAA)の研究者は人工衛星を用いて南極と世界のオゾン層を監視している。NOAAの南極基線大気観測所では、オゾン濃度を測定する気球の放球や地上設備による観測を行っている。今年10月3日の南極上空のオゾン濃度は111ドブソン単位と低かった。1979年の平均濃度は225ドブソン単位だった。

NASAによると、今年のオゾンホールは1月に大規模な噴火を起こしたハンガトンガ・ハンガハアパイ火山の影響を受けた可能性があるという。火山からの水蒸気がオゾン破壊反応を増強したと考えられる。南極のオゾン層の状況はNASAのオゾン監視サイトで確認できる。

Source: https://www.nasa.gov/earth/climate-change/ozone-layer/2023-ozone-hole-ranks-16th-largest/