アメリカ航空宇宙局(NASA)が11月2日に発表したプレスリリースによると、NASAの探査機ルーシー号が11月1日に小惑星ディンキネシュに接近飛行した際、ディンキネシュが実は二重小惑星であることが判明した。ルーシー号が撮影した最初の画像には、ディンキネシュの「裏」から現れる衛星の姿が捉えられている。画像はルーシー号がディンキネシュに最接近の約1分前、距離約430kmで撮影された。主小惑星の最大幅は約790m、衛星の大きさは約220mと推定される。

このフライバイはルーシー号の機体システムの飛行試験が主目的で、1万マイルの速度で小惑星を自律的に追跡する端末追跡システムの試験が焦点だった。別の画像シリーズは、13秒間隔で撮影された二重小惑星を捉えており、端末追跡システムが意図した通りに機能したことを示しているとロッキードマーティンのトム・ケネディ氏は述べている。

この遭遇飛行は工学試験が主目的だったが、科学者チームもデータから小惑星の性質に関する知見を引き出す作業に熱中している。NASAゴダード宇宙センターのキース・ノール氏によると、これはこれまでで最も小さいメインベルト小惑星の近接撮影となり、二重小惑星であることが発見されたことでさらに興味深いという。取得データの解析が進めば、小惑星探査の次の目標である2025年のドナルドジョハンソンへのフライバイに向けて、ルーシー号の性能がより詳細に評価できるだろう。

Source: https://www.nasa.gov/image-article/nasas-lucy-spacecraft-discovers-2nd-asteroid-during-dinkinesh-flyby/