アメリカ航空宇宙局(NASA)は11月3日、国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送機「CRS-29」で、オクラホマ州のチョクトー族から提供された種子500グラムをISSに送ると発表した。種子は11月7日の打ち上げを予定しており、数カ月ISSに滞在した後、チョクトー族に返送される。送られるのは、イシト(チョクトーのカボチャ)、トゥニシ(ほうれん草に似た葉野菜)、トビ(スミスエンドウ)、チュクフィ(エンドウ)、タンチトビ(小麦粉用とうもろこし)の5種類のチョクトー族にとって重要な種子だ。

NASAのサイエンス活性化プログラム「ネイティブアース・ネイティブスカイ」とオクラホマ州立大学が、チョクトー族と協力してSTEM(科学・技術・工学・数学)をネイティブ文化と絡めたカリキュラム開発を進めている。宇宙から戻った種子はジョーンズアカデミーのチョクトー族寄宿学校で生徒に植えてもらう予定だ。種子の宇宙旅行と生徒の経験は、カリキュラムの一部として記録される。

NASAの資金提供により、ネイティブアース・ネイティブスカイは、ネイティブ文化とSTEMを組み合わせ、中学生のSTEMへの関心を高めることを目指している。オクラホマ州立大学とNASAの400万ドルの協定には、チカソー族とチェロキー族とのカリキュラム開発も含まれている。

チョクトー族出身でオクラホマ州立大学航空宇宙学助教のキャスリン・ガードナー=ヴァンディ博士が本プロジェクトの主任研究者を務め、チョクトー族とボーイング社と協力して種子をISSに送ることを実現した。チョクトー族の種子が宇宙に送られ帰還する歴史的なミッションを、チーム一同楽しみに待っている。

Source: https://science.nasa.gov/learning-resources/science-activation/native-earth-native-sky-crs-29-payload/