アメリカ航空宇宙局(NASA)が11月3日に発表したプレスリリースによると、NASAの月ロケットSLS(Space Launch System)の上段に使用される先進上段の試作品製造がルイジアナ州ニューオーリンズのミシュード組立施設で進められている。10月24日には液体酸素タンクの一部を構成する溶接確認試作品の主要部分の溶接が完了し、施設の別の場所に水平方向に回転させて移動した。

SLSロケットの探査上段の液体酸素タンクの一部を形成するこの溶接確認試作品は、SLSロケットの発展型Block 1B構成の7つの溶接確認試作品のうち5つ目である。アルテミス4号から、SLSはより強力なBlock 1B構成の先進上段に進化し、月面への打ち上げ能力が40%向上する。これにより、オリオン宇宙船内のアルテミス宇宙飛行士を月面に送ることが可能になる。

技術者チームは、溶接手順、工具とハードウェアのインターフェース、溶接の構造的完全性を検証するために、溶接確認試作品を使用している。液体酸素タンクの溶接確認試作品のドームは、最初にアラバマ州ハンツビルのマーシャル宇宙飛行センターで摩擦攪拌溶接工具を使用して構造リングに溶接された。その後ハードウェアはミシュードに輸送され、ミシュードのクルーが液体酸素タンク組立センターで溶接作業を完了した。マーシャルとミシュードのエンジニアは同時に、溶接パラメータを検証するためにハードウェアの試験と解析を実施した。

一方で、NASAとSLSの主契約者であるボーイングは、マーシャルとミシュードで上段の構造試験品と飛行ハードウェアの構造を製造している。

NASAはアルテミス計画の下、初の女性と有色人種の月面着陸を目指している。SLSはオリオン、月周回ゲートウェイと共に深宇宙探査の中核を成す。SLSはオリオン、宇宙飛行士、補給品を1回のミッションで月面に送れる唯一のロケットである。

Source: https://www.nasa.gov/image-article/early-production-continues-on-advanced-upper-stage-for-nasa-moon-rocket/