アメリカ航空宇宙局(NASA)が11月8日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いて惑星形成の過程を裏付ける発見をしたと発表した。ウェッブ望遠鏡が原始惑星系円盤内の水蒸気を観測した結果、氷で覆われた微粒子が円盤の外縁部から岩石惑星域へと移動する過程が確認された。

理論的には、原始惑星系円盤の冷たい外縁部で形成される氷微粒子が、ガス円盤との摩擦により内側に向かって移動し、固体と水を惑星に供給することが惑星形成の基本的な過程とされてきた。この理論の重要な予測の1つは、氷微粒子が「雪線」の内側の温かい領域に入ると、大量の冷たい水蒸気を放出することだ。ウェッブ望遠鏡はまさにこの予測通りの観測結果を得た。

ウェッブ望遠鏡が円盤の内側領域の水蒸気と外側領域からの氷微粒子の移動との関係を明らかにしたことで、水蒸気と氷微粒子のドリフトによる惑星形成過程が裏付けられた。この発見は、ウェッブ望遠鏡を用いて岩石惑星形成を研究する新たな展望を開く。

ウェッブ望遠鏡は、太陽系外惑星の発見など宇宙の謎を解き明かすためにNASAが欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)と共同で打ち上げた世界最高性能の宇宙望遠鏡である。

Source: https://www.nasa.gov/missions/webb/nasas-webb-findings-support-long-proposed-process-of-planet-formation/