アメリカ航空宇宙局(NASA)が11月8日に発表したプレスリリースによると、今冬に発生する可能性がある強いエルニーニョ現象によって、アメリカ西海岸の都市部では高潮による浸水被害が増加する恐れがあるという。
NASAの海面変動研究チームの分析では、強いエルニーニョが発生した場合、シアトルやサンディエゴなどの都市では、10年に1度発生する可能性のある高潮(10年潮位)による浸水が今冬最大で5回発生する可能性があることがわかった。エクアドルのラリベルタドやバルトラなどの都市でも、今冬に最大3回の10年潮位が発生する可能性がある。
通常、アメリカ西海岸ではエルニーニョが発生していない年にはこのような10年潮位による浸水はまれであるが、研究チームによると、2030年代にはエルニーニョがなくても、これらの都市では毎年同程度の10年潮位による浸水が発生するようになる可能性があるという。
エルニーニョによる影響は通常1月から3月にかけて最大となる。NASAは衛星を用いて海面水位の変動を監視しており、海面上昇による浸水リスクの高まりに備えるために重要な情報を提供している。