アメリカ航空宇宙局(NASA)は11月9日、2024年4月8日にアメリカ中部で発生する皆既日食に向けた準備状況を確認するため、アラバマ州ハンツビルにあるマーシャル宇宙飛行センターの専門家チームをアーカンソー州ラッセルビルに派遣したと発表した。

ラッセルビルでは皆既日食中に10万人以上の観光客が訪れることが予想されており、市長や産業界のリーダーは教育啓発活動についてNASAの専門家チームと協議した。300人以上が参加した無料の日食説明会では、マーシャル宇宙飛行センターの専門家が皆既日食について講演した。

NASAはラッセルビルでの皆既日食の長さを考慮し、同市からの生中継を含むテレビ放送を計画しているほか、科学講演や教育啓発イベントも実施する予定だ。ラッセルビルは大学がある上に州都リトルロックに近いことから、産業や学術機関のキーステークホルダーとの連携も期待できる。

10月30日の訪問では、市が大量の観光客や報道陣の流入にどのように備えているかをNASAが学んだ。市の日食対策委員会は1年以上前から活動を開始し、コミュニケーションや緊急管理体制を整えている。

NASAチームはまた、地元の児童生徒との交流を通じて、天体物理学の重要なメッセージを次世代の科学者や技術者に伝える機会とした。学区や大学とはインターンシップや学生向け工学デザインチャレンジについても協議した。

訪問を通じ、ラッセルビルと大学が日食イベントの支援に熱心に取り組んでいることが確認された。2024年4月の皆既日食は、世界的な太陽科学のお祭り「ヘリオフィジックス・ビッグイヤー」の一環で、日食の観測やオーロラ体験などの日食関連イベントに参加することが奨励されている。

Source: https://www.nasa.gov/centers-and-facilities/marshall/arkansas-city-welcomes-nasa-to-discuss-2024-total-solar-eclipse/