アメリカ航空宇宙局(NASA)が11月15日に発表したプレスリリースによると、砂嵐はアメリカの人々の健康と安全に対する脅威となっている。NASAとアメリカ国立海洋大気局(NOAA)の衛星データを利用した新しいモデルは、砂嵐の早期警戒に重要な役割を果たす。

NASAの健康と大気質応用科学チームのプログラムマネージャー、ジョン・ヘインズ氏によると、砂嵐は干ばつが長引くことと都市化の拡大により、より頻繁に発生する傾向にある。気候変動により、アメリカの乾燥地域では降水量の減少と気温の上昇が定常的になることが予想されており、この傾向は続くとみられる。

砂嵐は交通事故、大気質の悪化、疾病の病原体の拡散などを引き起こす。ジョージメイソン大学の大気化学とエアロゾルの教授であるダニエル・トング氏は、NASAの支援の下、アメリカの砂嵐予報能力の改善に取り組んでいる。トング氏の予報システムは、リアルタイムの衛星データを大気の複雑なモデルに入力することで、3日先までの砂嵐を1時間ごとに予報する。

衛星による予報は、地上の対策だけではカバーしきれない砂嵐の新たな被害地域への対応に不可欠とされる。トング氏は商業トラック運送業者が予報を利用することで、事故や渋滞を防げると期待する。また、予報により農家が土壌の耕作を控えることで、砂嵐の頻度と強度を下げられる可能性もある。

大規模な砂嵐は呼吸器疾患や感染症の拡散など、より大きな危険を伴う。バレーフェバーなどの感染症が懸念されている。砂粒そのものも呼吸器への刺激となる。NASAの研究によると、2019年の早期死亡の289万件のうち22%が粉塵に関連していた。

砂嵐は避けられない自然現象だが、衛星による監視と予報は影響を受けやすい人々の防護に役立つと期待される。

Source: https://science.nasa.gov/earth/satellite-data-can-help-limit-the-dangers-of-windblown-dust/