アメリカ航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙飛行センターは11月15日、極端紫外線を集光するための「フォトンふるい」の開発で革新賞を受賞した技術者について発表しました。

発表によると、同センターの最高技術責任者室は、技術革新の最優秀者に毎年授与している内部研究開発(IRAD)イノベーター・オブ・ザ・イヤーを、エンジニアのスティーブン・デニス氏に授与しました。

デニス氏は、捕捉が困難な極端紫外線を集光するため、毛髪ほどの薄さのフォトンふるいの開発に執念と革新性を示しました。デニス氏によると、薄膜は太陽観測に重要で、これらのふるいはより厚い材料よりも最大7倍の光を透過できるとのことです。デニス氏の業績は、太陽をこれまでにない詳細さで研究し、地球や太陽系への影響を理解する新たな方法を切り開くことになると期待されています。

デニス氏は長年にわたりゴダードのIRADプログラムを通じて太陽物理学者と緊密に協力することで、その分野の障壁を乗り越える革新にインスピレーションを得ていると述べています。デニス氏の業績は、アメリカ物理学会の機関誌「Physics Today」で、太陽下層大気でのコロナ加熱と加速の謎を解明できる重要な技術として取り上げられました。

このプロジェクトに基づく2つの特許がすでに取得されており、デニス氏は最新の製造プロセスについて新たな出願を提出する予定だとしています。デニス氏のフォトンふるいは、将来的には太陽の表面の特徴をこれまでの10~50倍詳細に解像できる可能性があると期待されています。

Source: https://www.nasa.gov/technology/denis-innovation-award/