アメリカ航空宇宙局(NASA)が11月15日に発表したプレスリリースによると、NASAのチャンドラX線観測衛星センターが2020年から進めている「ソニフィケーション」プロジェクトでは、宇宙望遠鏡による観測データを音楽のノートや音に変換している。これにより、画像で見るよりも聴覚を通じてデータを体感できるようになる。

今回、モントリオール在住の作曲家ソフィー・カストナー氏と協力し、ミュージシャンが演奏できる形式のデータを開発した。銀河系中心部の超大質量ブラックホール周辺のデータを使用し、チャンドラX線観測衛星、ハッブル宇宙望遠鏡、既に退役したスピッツァー宇宙望遠鏡のデータを音楽に変換した。

カストナー氏は、データを人間が演奏しやすいように分割し、注目されにくい部分を強調するなど人間らしい解釈を加えた。結果、実際の宇宙望遠鏡データに基づきながらも、人間の感性を反映した新しい楽曲が完成した。

チャンドラのキンバリー・アーカンド博士は、「データを音に変換するのは大きな一歩だったが、今回ソフィーとのコラボはまた違った試みだ」と述べ、人間の音楽家が宇宙のデータを独自に解釈することの意義を強調した。

ソフィー・カストナー氏の銀河系中心部を題材にした作品「Where Parallel Lines Converge」の楽譜はNASAのウェブサイトで公開されており、音楽家は自宅で演奏できる。宇宙からのデータをもとに、人類は新しい芸術を生み出し続けている。

Source: https://www.nasa.gov/general/nasa-telescope-data-becomes-music-you-can-play/