アメリカ航空宇宙局(NASA)が11月17日に発表したプレスリリースによると、国際宇宙ステーションに搭載されている観測機器「EMIT」が、メタンなどの温室効果ガスの発生源を空から検知する能力が高いことがわかった。

EMITは昨年7月に打ち上げられ、砂漠などの地表面に存在する10種類の鉱物をマッピングする目的で運用されている。メタンの検知は本来のミッションではないが、ある程度の能力があることは期待されていた。

発表によると、EMITはこれまでの1年以上の運用で750箇所以上のメタンなどの発生源を特定した。小規模なものから大規模なものまで、思いもよらないほどのガス放出源をとらえることができたという。航空機による観測と比較しても、メタンのプルームの60-85%を検知できる性能があることが確認された。

EMITは国際宇宙ステーションから約400kmの高度を周回し、広い範囲の観測データを集めている。人目に触れにくい地域も含め、これまで航空機ではカバーしきれなかった地域の温室効果ガスの発生源を特定できることが分かった。メタンの発生源を把握することは、気候変動対策に大きく貢献すると期待されている。

EMITのデータはNASAのウェブサイトで公開されており、研究者や一般の人々が利用できる。温室効果ガスの発生源を特定する能力の高さが実証された今回の発表は、気候変動対策に資する貴重な成果と言える。

Source: https://www.nasa.gov/missions/emit/nasa-mission-excels-at-spotting-greenhouse-gas-emission-sources/