アメリカ航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙飛行センターは11月17日、同センターの研究者アントニア・ガンバコルタ氏が地球観測に関する業績で、2023年のIRAD技術革新賞を受賞したと発表しました。

ガンバコルタ氏は、軌道上からマイクロ波を用いて地球大気の下層を観測する新技術の開発に取り組み、宇宙から地球の大気の境界層を詳細に測定できるハイパースペクトルマイクロ波サウンディング技術を実証するとともに、この観測を可能にするマイクロ波フォトニクスラジオメーター機器の概念設計を行ったことが評価されました。

地球大気の下層はその上空の大気の動きの影響を強く受け複雑な挙動を示すため、宇宙からの観測が困難とされてきました。ガンバコルタ氏の業績は、地球システムを理解する上で重要なこの領域の観測能力を飛躍的に向上させる新技術の開発につながるものだと期待されています。

ガンバコルタ氏はゴダードセンターのハイパースペクトルマイクロ波プロジェクトを率いるとともに、同センターの10年規模調査準備プログラムの中心メンバーとしても活躍。複数の内部研究開発プログラムを通じてこの新技術の有効性を示し、観測機器の概念設計を進めるなど、同センターの地球観測技術開発を牽引しています。

Source: https://www.nasa.gov/centers-and-facilities/goddard/gambacorta-irad-innovation-leader/