ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は11月20日、極域気象観測衛星の開発が完了し、ドイツの環境試験施設に送られたと発表した。

極域気象観測衛星は、極域の気象観測能力を高め、極域の短期天気予報精度を向上させることを目的としている。現在、静止気象衛星や極軌道気象衛星からの観測データは、気象予報に欠かせない情報源となっているが、極域の観測は不十分な状況にある。

極域気象観測衛星は、ESAがヨーロッパ気象衛星機関(EUMETSAT)のために開発を進めているEPS-Sterna計画の先駆けとなる試験機で、軌道上での性能が確認されれば、6機の極軌道微小衛星による衛星コンステレーションが構築される予定だ。

極域気象観測衛星はスウェーデンのOHB社が36ヶ月という短期間で開発を完了し、10月に搭載されたマイクロ波放射計を含む衛星機器の最終組み立てが完了。11月にドイツのIABG社に送られ、発射時の振動・騒音や軌道上の温度変化など、宇宙環境での耐久性試験が2024年2月まで行われる。

試験完了後、衛星はOHBスウェーデン社に返送され、最終確認を経て2024年4月に米国のヴァンデンバーグ空軍基地に輸送。スペースXのファルコン9ロケットによる打ち上げは2024年6月1日を予定している。

Source: https://www.esa.int/Applications/Observing_the_Earth/Meteorological_missions/Arctic_Weather_Satellite/Arctic_Weather_Satellite_in_shape