アメリカのNASAの発表によると、飛行機が離陸する前に、パイロットは管制官に目的地と飛行経路を知らせる計画を立てなければならない。しかし実際に飛行中は、乱気流による乗客の不快感や燃料消費の増加、予定経路を塞ぐ予期せぬ悪天候など、当初の計画から変更せざるを得ないことが多い。

これまでは、こうした経路変更は突発的に行われ、準備時間がほとんどなかった。しかし、飛行機がデジタル的により接続されるようになるにつれ、追加のデータを活用できるようになり、NASAが開発した技術が、パイロットが毎回最適な経路を見つけるのに役立つ。

NASAは設立以来、航空機の効率性向上を探求してきた。同機関の最も有名な貢献の一つが、翼端に上向きの垂直なフランジを取り付けた「ウィングレット」で、これにより翼端渦をなくし、大幅な燃料節減を実現した。燃費効率は、将来の航空機開発にとって極めて重要で、性能と積載量の改善につながるだけでなく、大気中に放出される温室効果ガスの量も削減する。

バージニア州ハンプトンのラングレー研究センターのデビッド・ウィング主任研究員は、混雑した空域での飛行経路の直接管理を可能にする航空機の高度自動化システムを開発している。同氏は、安全な経路設定に使用される同じ技術を活用して、すでに飛行中の航空機の経路最適化も可能になることに気づいた。利用可能になり次第、最も効率的な経路をパイロットが特定できるようにすることで、時間と費用を節約できる。

以上が、アメリカ航空宇宙局(NASA)の発表内容である。NASAは宇宙技術の地上への転用に長い歴史があり、今回の技術も民間航空会社による実用化が進められている。

Source: https://www.nasa.gov/technology/tech-transfer-spinoffs/digital-winglets-for-real-time-flight-paths/