以下はヨーロッパ宇宙機関(ESA)の発表を受けて作成した記事です。

11月24日、ESAはスペイン・マドリードの欧州衛星センターで「Space Data Space」ワークショップを開催した。このワークショップでは、自然災害などの緊急事態において、どのように宇宙からのデータを安全かつ迅速に提供できるかについて、ESA加盟国、産業界、利用者コミュニティ、学界の代表者が議論した。

ESAの最高セキュリティ顧問Pascal Legai氏は、欧州衛星センター所長Sorin Ducaru大使の挨拶に続き、ワークショップの開会の辞を述べた。

スペイン政府最高データ責任者(CDO)のAlberto Palomo氏は基調講演で「データそのものに価値はなく、変換して実際に利用することで初めて価値を持つ」と述べた。

ESAの宇宙からの市民保安プログラムマネージャーChristopher Topping氏も基調講演し、「緊急時には、いつでもどこでも情報に迅速にアクセスできることが不可欠だ。自然災害や地政学的不安定さが人々、国家、重要インフラに及ぼす影響はあまりにも身近なものとなっている。発生前の防災、発生時の対応、復興期間を通じて、実行可能な情報を迅速に利用できることが必要不可欠だ」と述べた。

ESAはこうした目的のために、宇宙資産を利用して世界の生命と生活を守る「宇宙からの市民保安プログラム」を推進している。

例えばESAは最近、洪水や野火の早期警戒システムを改善するため、フィンランドのマイクロサテライトメーカーICEYEと提携した。ICEYEの合成開口レーダー衛星は、煙や雲を透過して観測でき、火災や暴風雨による洪水のリスクをほぼリアルタイムで評価できる。

ESAは多くの衛星事業者との提携を求めている。例えば、ESAのビジネスインキュベーションセンター起業企業である英Open Cosmos社は、衛星の開発、打ち上げ、運用を可能にするツールを提供している。この提携は、災害時に市民保安・危機対応チームの緊急ニーズに対応するため、衛星の能力とデータリソースの共有を促進することを目的としている。

このような提携は、地球上の危機に迅速に対応する宇宙技術の利用と統合を強化し、ESAの「迅速かつ強靱な危機対応加速器」に貢献する。

Source: https://www.esa.int/Applications/Connectivity_and_Secure_Communications/Collaboration_is_key_to_providing_security_during_crises