アメリカ航空宇宙局(NASA)は11月28日、土星の衛星タイタンを調査するドラゴンフライ計画について、2024会計年度中に最終設計および製造作業を進めることを承認したと発表した。NASAは2025会計年度の大統領予算教書発表後の2024年半ばまで、計画の総コストとスケジュールの正式な確定を見送るとしている。

ドラゴンフライは、ロータークラフトをタイタンに送り込み表面を探査するミッションで、今年初めには予備設計審査を通過した。ドラゴンフライチームは2024会計年度の予想資金に基づきミッションの再計画を行ない、発射準備日を2028年7月に更新した。NASAは2024年半ばの機関計画管理評議会で、ミッションの発射準備日を正式に評価するという。

NASA科学ミッション部門のニコラ・フォックス部門長は、「ドラゴンフライチームは、タイタンでの新しい科学的知見の収集を目指すこの大胆な試みにおける、数々の技術的、計画的課題を克服してきた。このミッションのすべての側面を確認に向けて進めるチームの能力に誇りを感じる」と述べた。

ドラゴンフライは、ロータークラフト着陸船を初めて採用し、タイタンの多様な地点間を移動して調査するという、惑星探査における新しいアプローチを取る。目標はタイタンの環境の居住可能性を特徴付け、長期間にわたって炭素豊富な物質と液体の水が混合した環境における前生物的化学の進化を調べ、過去にタイタンで水系または炭化水素系生命が存在したかどうかの化学的兆候を探すことだ。

ドラゴンフライは、メリーランド州ローレルのジョンズ・ホプキンス応用物理学研究所がNASAのために設計・製造を指揮している。チームにはNASAゴダード宇宙飛行センター、ロッキード・マーティン・スペース、シコルスキー、エイムズ研究センター、ラングレー研究センター、ペンシルベニア州立大学、マリン宇宙科学システムズ、ハニービー・ロボティクス、ジェット推進研究所、フランス国立宇宙研究センター、ドイツ航空宇宙センター、日本航空宇宙探査機構が含まれる。ドラゴンフライは、アラバマ州ハンツビルのマーシャル宇宙飛行センターが科学ミッション部門のために管理するNASAの新フロンティア計画の4番目のミッションだ。

Source: https://science.nasa.gov/missions/dragonfly/nasas-dragonfly-to-proceed-with-final-mission-design-work/