アメリカのNASAの発表によると、11月23日、ハッブル宇宙望遠鏡がジャイロスコープの問題によりセーフモードに入った。ハッブルの観測機器は安定しており、望遠鏡自体の健康状態も良好だという。望遠鏡は自動的にセーフモードに入った。ジャイロスコープの1つが誤った読み値を示したためだ。ジャイロスコープは望遠鏡の回転速度を測定し、方向決定システムの一部を構成する。セーフモード時は科学観測が停止し、地上からの新たな指示を待つ。

11月19日にも最初のセーフモード入りがあり、翌日には回復したものの、不安定なジャイロのため21日に再び観測を停止。回復後の23日に3度目のセーフモード入りとなった。

チームは現在、この問題の特定と解決策の模索を進めている。必要なら1基のジャイロで運用できるよう再設定も可能だ。2009年の最後のシャトルミッションで6基の新しいジャイロが取り付けられ、現在3基が動作中。振動が発生しているのはその1基である。ハッブルは効率を最大化するため通常3基のジャイロを使うが、1基でも科学観測の継続は可能だ。

NASAは今後の10年間、次の10年間もハッブルが画期的な発見を重ね、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などと協力し続けると期待している。1990年に打ち上げられたハッブルは、33年以上にわたり宇宙の観測を続けている。ハッブルの偉大な科学的発見についてはこちらを参照されたい。

Source: https://science.nasa.gov/missions/hubble/nasas-hubble-space-telescope-pauses-science-due-to-gyro-issue/