アメリカ航空宇宙局(NASA)の発表によると、「クモ型パルサー」と呼ばれる死んだ星が、近くにある伴星を破壊していることが明らかになった。NASAのチャンドラX線観測衛星が、球状星団オメガ星団のデータを解析した結果、これらのクモ型パルサーがどのようにして伴星を捕食しているかがわかった。

パルサーは、大質量の星が自ら崩壊して中性子星になった後に残る、高速自転する高密度の核である。速く回転する中性子星は強力なパルス状の放射を発生させることができる。灯台の回転ビームのように、この放射は強力なパルサーとして観測される。一部のパルサーは1秒間に数十回から数百回転しており、ミリ秒パルサーと呼ばれている。

クモ型パルサーはミリ秒パルサーの特別な種類で、周囲を回る小さな伴星の表面を徐々に剥ぎ取ることからこの名前が付いた。クモ型パルサーから流れ出るエネルギー粒子の風によって、伴星の外層が効率的に剥ぎ取られるのだ。

チャンドラのX線観測データと他の観測結果を組み合わせた解析から、X線の明るさと伴星の質量には相関があることが初めて示された。より質量の大きな伴星ほど、パルサーからの粒子との衝突で強力なショック波とX線が発生することが確認された。

クモ型パルサーは伴星から非常に近い位置にあり、強力なX線と粒子の風が伴星に大きなダメージを与えている。チャンドラの高感度X線観測は、このような球状星団内のクモ型パルサーを詳細に調べるのに欠かせない。今回の発見は、科学者が開発した理論モデルと一致している。

Source: https://www.nasa.gov/image-article/chandra-catches-spider-pulsars-destroying-nearby-stars/