アメリカ航空宇宙局(NASA)が11月30日に発表したプレスリリースによると、国際研究チームがジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いて、地球から約5500光年離れたさそり座のロブスター星雲内の原始惑星系円盤XUE 1において、水や一酸化炭素などの分子を検出した。これは、過酷な環境下でも岩石惑星が形成しうることを示唆する初の観測結果だ。

ロブスター星雲は、銀河系で最も若く近い大質量星形成領域の1つで、多くの大質量星を含む。大質量星からの紫外線放射により、円盤の期待寿命は100万年程度と非常に短い。ウェッブ望遠鏡の高い空間分解能と感度が、大質量星形成領域における原始惑星系円盤の特徴付けを可能にした。

XUE 1の周りの内側円盤から、水や一酸化炭素、二酸化炭素、シアン化水素、アセチレンなどの分子の検出に成功した。これらは岩石惑星の構成要素となる。近隣の星形成領域の円盤と非常に似通った分子組成が、この過酷な環境下でも見られたことは驚きであり、岩石惑星形成が考えられる環境の範囲がこれまで信じられていたよりも広いことを示唆する。残りの観測結果により、こうした条件がどの程度一般的かが明らかになるだろう。

Source: https://www.nasa.gov/missions/webb/webb-study-reveals-rocky-planets-can-form-in-extreme-environments/