ヨーロッパ宇宙機関(ESA)と国連環境計画(UNEP)は12月4日、アラブ首長国連邦ドバイで開催中の国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)の「地球情報デー」にて、持続可能な未来の実現に向けて協力することを約束した覚書に調印した。

UNEPは国連のグローバルな環境活動を牽引する組織で、環境保護、自然と生物多様性の保全・回復を推進している。一方、ESAは衛星技術と地球観測の専門知識を有している。両組織の協力関係は、地球と社会の持続可能な未来を形作る強力な連合となることが期待される。

新たな協力関係では、気候変動や環境保護、汚染モニタリング、災害リスク軽減など、緊急を要する環境課題の解決に向けて宇宙技術を活用する。持続可能なグリーン移行、生態系会計、自然資本の価値評価、環境の早期警戒システムなど、優先度の高い分野での革新的な地球観測ソリューションの共同開発が進められる。

ESAの地球観測プログラム責任者Simonetta Cheli氏は、「ESAとUNEPの協力は、世界が気候変動の悪影響に直面する重要な局面で実現した。宇宙技術は、意思決定に不可欠な包括的かつリアルタイムのデータを提供する独自の視点を持っている」とコメント。両組織の協力により、環境保全と持続可能な開発のための効果的な戦略を策定できると期待を表明した。

ESA事務局長Josef Aschbacher氏とUNEP事務局長Inger Andersen氏はCOP28で覚書に調印した。両組織の協力は、昨年12月に採択された国連の「昆明・モントリオール生物多様性枠組条約」の野心的な目標達成に大きく貢献することが期待されている。

Source: https://www.esa.int/Applications/Observing_the_Earth/ESA_and_UNEP_collaborate_for_a_greener_future