アメリカ航空宇宙局(NASA)の発表によると、2機の小型精密衛星が、太陽風の加熱と加速を引き起こしていると考えられている太陽表面近くの小規模な特徴を初めて捉える試みを行うという。

NASAゴダード宇宙飛行センターのヘリオフィジシスト、ダグ・ラビン博士は、極端紫外線を集光できるフォトンシーブという技術により、今日の太陽動態観測衛星の極端紫外線イメージャーで見ることができるものよりも10~50倍小さい特徴を解像できるはずだと述べた。

ゴダードの検出器開発研究所で働くケビン・デニス技術者は、シリコンやニオブのウェハーからより広く薄いメンブレンを作る新しい方法を開発した。各改良では、メンブレンを支えて裂けるのを防ぐために、蜂の巣のようなより厚い材料のハニカム構造を残すなどの追加工程が必要となった。

新しいフォトンシーブは、極端紫外線を屈折させて遠方のカメラに集光するように設計されている。薄いメンブレンは、太陽科学にとって重要で、厚い材料よりも多くの光を透過するからだ。

デニスの働きは、物理学の限界を押し広げて光を集中させるNASAの技術者たちの取り組みを象徴している。2024年のVISORSミッションや2027年のMUSEミッションで使用されるより大型のフォトンシーブの開発は、デニスのメンブレン技術が宇宙飛行に準備が整えば実現可能になる。

Source: https://www.nasa.gov/technology/goddard-engineers-focus-uv-light/