ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は12日、地球温暖化に伴う「気候の突然変動点(ティッピングポイント)」に関する発表を行った。ESAによると、地球の平均気温が産業革命前からすでに1.2°C上昇しており、現在の温室効果ガス排出量の推移では2100年までに2.5-2.9°Cの上昇が予想されている。このまま排出量を抑制しない場合、グリーンランド氷床や西南極氷床の融解、永久凍土の融解、サンゴ礁の白化などの重大な気候変動が引き起こされる可能性があるという。

ESAによると、これらの「ティッピングポイント」を超えると気候システムが急激かつ不可逆的に変化し、氷床融解による海面上昇や異常気象の頻発など、人間社会や自然環境に甚大な影響を及ぼす可能性がある。衛星観測データは氷床や海水温の変化、森林減少などの重要な指標を監視する上で欠かせない情報を提供しており、気候変動の早期検知や対策立案に役立っている。

ESAは今後も衛星による地球観測を通じて気候変動の監視に尽力する考えだ。気候変動の影響はすでに現れ始めているが、科学的知見に基づく迅速な行動を取ることで、最悪の事態はまだ回避できるとESAは強調している。

Source: https://www.esa.int/Applications/Observing_the_Earth/Space_for_our_climate/Understanding_climate_tipping_points