アメリカ航空宇宙局(NASA)のアームストロング飛行研究センターは12月14日、2022年の活動報告を発表した。NASAによると、同センターは航空宇宙分野におけるアメリカの指導力を示すべく、航空学、地球科学、宇宙技術の革新に注力した。研究者、技術者、ミッションサポートチームは、航空機産業の革命、宇宙の知識の拡大、地球の理解と保護に貢献する研究に取り組んだ。
報告によると、超音速研究機X-59は組み立て場所から滑走路に移動し、地上テストを開始した。また、最初の飛行とその後の飛行の準備が進められ、衝撃波撮影技術が進歩し、乗員の生命維持システムがアップグレードされ、X-59の「静かな衝撃波」を測定するための地上マイクが準備され、塗装が行われた。
先進空中モビリティミッションは、電気エアタクシーやドローンなどの革新的な新型機を開発する企業パートナーと協力し、これらの新設計が旅客や貨物の都市内外の移動を助ける可能性を探った。アームストロングセンターでは、エアタクシーの体験を探るためのカスタムVRシミュレータを開発した。また、自律飛行技術の実現に必要なデータ収集を行った。
燃料効率改善のために、実験製作部門は将来の大型版のためのデータ収集に使用される独特の翼のスケールモデルを製作した。また、今日の旅客機からの粒子と排気ガスの測定に取り組んだ。X-57マックスウェルの運用終了に伴い、その研究からバッテリー技術や制御設計などに関する教訓が得られた。
その他、雪嵐の形成過程の調査、雪解けの水資源への影響調査、大気汚染源の調査、火災モデルの改善に向けた観測などが行われた。宇宙分野では、火星などでの着陸時の表面粒子測定器のテストなどが進められた。
学生実験の打ち上げやインターンシップも行われ、航空宇宙技術と最新研究成果が紹介された。雷雲からの放射線観測や小型宇宙機の自律観測能力向上も進められ、排出ガス削減を目指す実験機の開発パートナーシップが結ばれた。
これらの革新的研究は、NASAのミッションである宇宙の秘密の探求とその成果の社会還元を支えている。