アメリカのNASAの発表によると、土星の衛星エンケラドゥスから噴出する氷粒子と水蒸気の巨大なプルームには、生命にとって重要な有機化合物が豊富に含まれていることが科学者には分かっていた。しかし今回、NASAのカッシーニ計画のデータを分析していた科学者達は、生命起源に不可欠な水素シアン化物という分子の強力な証拠を発見したと発表した。

また研究者達は、エンケラドゥスの氷の殻の下に隠れている海洋が、これまで同定されていなかった強力な化学エネルギーの源を持っている証拠も発見した。地球上では、そのエネルギー源となる有機化合物のいくつかは、生物の燃料として機能している。

これらの発見は12月14日にNature Astronomy誌に掲載されたが、この小さな衛星の内部にはこれまで考えられていたよりもはるかに多くの化学エネルギーがあることを示唆している。利用可能なエネルギーが多いほど、生命が繁殖し維持される可能性が高くなる。

エンケラドゥスは生命の基本要件を満たすだけでなく、複雑な生体分子がどのように形成され得るかについてのアイデアも提供してくれた。生命の起源と持続に不可欠な分子とエネルギー源の発見は、この衛星が生命に適した環境を持っている可能性の証拠をさらに強めることになった。

Source: https://www.nasa.gov/missions/cassini/nasa-study-finds-life-sparking-energy-source-and-molecule-at-enceladus/