アメリカ航空宇宙局(NASA)は12月18日、小型衛星「BurstCube」の打ち上げに向けた試験が完了し、パートナーのNanoracks社(Voyager Space社の一部)に引き渡したと発表した。

BurstCubeは、宇宙最強の爆発であるガンマ線バーストを観測するために開発された、靴箱サイズの人工衛星だ。NASAゴダード宇宙飛行センターのルシア・ティアン氏は、「小さなBurstCubeであっても、宇宙への打ち上げに先立ち、磁場の特性評価、極端な温度での試験、発射時の振動再現など、広範囲に渡る検証が必要だった」と述べている。

ガンマ線バーストは、中性子星同士あるいは中性子星とブラックホールが衝突したときに発生する、最もエネルギーの高い光の一種の短いフラッシュだ。天文学者は、これらの衝突が金やプラチナなどの重元素の重要な供給源になっていると考えており、BurstCubeはバーストを検出し、他の観測施設と連携して詳細な追跡観測を行うことを目指している。

BurstCubeは2024年3月、フロリダ州のケネディ宇宙センターから国際宇宙ステーションへの補給ミッションに搭載されて打ち上げられ、その後宇宙ステーションから放出される予定だ。小型ミッションは、初期キャリアの科学者や技術者にとって、プロジェクトの全段階を経験する貴重な機会となっている。試験完了後、チームとBurstCubeは打ち上げに向けた次のステップへと進んでいる。

Source: https://science.nasa.gov/universe/nasas-burstcube-passes-milestones-on-journey-to-launch/