アメリカのNASAの発表によると、12月18日、南極大陸のロス棚氷上にあるアメリカ国立科学財団のマクマード基地近くで、NASAの観測装置GUSTOの準備が進められている。GUSTOは銀河系内の星間空間をマッピングする目的で気球に搭載された望遠鏡で、12月21日以降にロス棚氷から打ち上げられる予定だ。
GUSTOは星間空間に存在する炭素、酸素、窒素などの元素の分布を調べ、銀河の進化を解明することを目指している。これらの元素は地球上の生命にとって重要である一方、星間空間の構造を理解する手がかりにもなる。
GUSTOはテラヘルツ帯の電波を観測することができる世界で最も高性能な装置の一つで、地上からの観測を妨げる水蒸気の影響を受けにくい高度12万フィートを飛行する。南極大陸は夏季に白夜となり、気球の安定した飛行に適している。
GUSTOによる大マゼラン雲の3次元マッピングは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が探査する初期銀河との比較に役立つと期待されている。GUSTOは少なくとも55日間の飛行が計画されており、NASAの気球計画の責任者Andrew Hamilton氏は、長時間の観測が重要な科学成果をもたらすと述べた。