アメリカ航空宇宙局(NASA)が12月18日に発表したプレスリリースによると、同局の火星周回軌道衛星「マーズ・リコネッサンス・オービター」が8月18日、火星の地表に刻まれたリッジラインを撮影した。これは氷のゆっくりとした流動によって形成されたもので、火星の極域以外でも広く確認できる。

氷が斜面を下っていく過程で、周囲の岩石や土壌が氷の表面や氷層の下に運ばれ、線状の模様が形成される。このプロセスにはおそらく数千年以上の時間がかかるが、氷の流動の歴史を示すネットワークが作り出される。

マーズ・リコネッサンス・オービターは2006年から火星を観測している。極端にクローズアップした火星表面の撮影、鉱物の分析、地下水の探索、大気中の塵や水の分布の追跡、日々の全球気象のモニタリングなどを行っている。これらの研究により、長期にわたって水中で形成されたと考えられる鉱物の堆積物、古代の海や湖の海岸線の証拠、流水によって時間とともに積み重なった堆積物の解析が進められている。

Source: https://www.nasa.gov/image-article/ice-flows-on-mars/