ヨーロッパのESAの発表によると、NASAの小惑星探査機サイキに搭載された深宇宙光通信(DSOC)実証実験が、2023年10月13日に打ち上げられた。この実験は、現在使用されている電波ではなくレーザーを用いて、遠方の宇宙船との間でより多くのデータを送受信することを試みるものだ。

レーザー光を用いれば、電波よりもはるかに高い周波数でデータを送信できるため、理論的にはより多くのデータをより短時間で送受信できる。しかし、3億kmも離れた宇宙船に狭いレーザー光線で通信することは、惑星間スケールと量子スケールの両方で困難な課題だ。

ESAは2025年にこの実験に参加し、ヨーロッパで必要な最先端のレーザー技術と地上インフラの開発を始めた。ESAの参加により、将来のヨーロッパの太陽系探査ミッションが深宇宙光通信を検討できるようになり、ヨーロッパの産業界の量子光通信分野の能力が向上すると期待されている。

ESAとNASAは深宇宙通信で長年にわたる協力関係にある。この協力により、ESAの宇宙船がNASAの地上局を、NASAのミッションがESAの追跡局を利用できる。両機関は新しいタイプの衛星通信の開発の初期段階から、この相互運用性を考慮している。

ESAはギリシャのヘルモス天文台とクリオネリ天文台を深宇宙光通信の地上インフラに選定した。2025年の実験では、ESAは高精度のレーザー送信機と超高感度の光子検出器/受信機の開発に取り組んでいる。

深宇宙光通信技術が成功すれば、太陽系探査の新時代の幕開けとなり、地球に戻す科学データ量の大幅な増加につながる可能性がある。

Source: https://www.esa.int/Enabling_Support/Operations/Shining_a_light_on_NASA_s_deep_space_demo