アメリカ航空宇宙局(NASA)の発表によると、同局のカリフォルニア州シリコンバレーにあるエームズ研究センターとジョビー・アビエーションが共同で、電動垂直離着陸機(eVTOL)を全米の主要空港に統合するための航空交通シミュレーションを新たに開発した。

これらのゼロエミッション機は、電力を使って離陸、巡航、着陸を行うため、持続可能な輸送手段として商業分野の関心を集めている。

NASAとジョビーの研究者は最近、連邦航空局(FAA)、全米航空管制協会、関係者を招き、エームズ研究センターの航空管制シミュレーション施設「フューチャーフライトセンタル」でこのシミュレーションを見学してもらった。

同施設は360度の空港の全景シミュレーションが可能で、管制官、パイロット、空港関係者が運用手順をテストし、新技術を評価できる。

NASAのサヴィ・ヴァーマ都市航空モビリティ研究者は、「我々はより良い生活の質を可能にしようとしている」と述べ、eVTOLにより空港への所要時間が大幅に短縮できると期待を示した。

シミュレーションでは、ダラス・フォートワース国際空港とダラス・ラブフィールド空港を舞台に、NASAが開発した予定経路に沿ってeVTOLが安全に飛行する様子が示された。

NASAのケン・フリーマン研究者は、「このシミュレーションは、これらの機体を安全に大規模に統合できることを裏付ける」と述べた。

NASAは解析結果を2024年に公表する予定で、FAAや業界、空港にeVTOLの空港運用を可能にするための管制ツールや手順を提言するという。eVTOLによる空港間の旅客輸送は、将来的に二酸化炭素排出量の削減と乗客の移動体験の大幅な改善につながると期待されている。

Source: https://www.nasa.gov/aeronautics/nasa-joby-pave-the-way-for-air-taxis-in-busy-airports/