アメリカ航空宇宙局(NASA)は12月22日、小惑星リュウグウからのサンプル回収に成功した探査機「オシリス・レックス」の次期ミッションについて発表した。探査機の新しい名称は「オシリス・アペックス」。2029年4月に地球に極めて近い距離を通過することが予測されている小惑星「アポフィス」を目指し、すでに飛行を開始している。

アポフィスは直径約340メートルのS型小惑星で、2029年4月13日には地球表面から約3万2000キロメートルまで接近する。この距離は通信衛星の軌道よりも近く、東半球では肉眼で確認できるほどだ。このような近距離通過は約7500年に1度の頻度でしか起こらない希有な機会だという。

オシリス・アペックスは2029年4月2日ごろにアポフィスに到着し、衝突の心配はないにせよ、地球との極近接遭遇で小惑星の表面にどのような変化が生じるか、約18ヶ月にわたって観測する。地上望遠鏡では観測できない時期もあるなか、変化を捉えることが期待されている。

小惑星の形成過程や惑星防衛研究にも役立つ知見が得られる可能性があり、リュウグウでの成果を踏まえて、新たな謎に挑む。2029年4月のアポフィスとのランデブーまでに、太陽接近を6回、地球スイングバイを3回行う飛行コースを取る。

Source: https://www.nasa.gov/missions/osiris-apex/nasa-asteroid-sampling-mission-renamed-osiris-apex-for-new-journey/