アメリカ航空宇宙局(NASA)は12月24日、深宇宙通信網(DSN)の設立から60周年を迎えたと発表した。DSNは1963年から連続運用されており、月より遠方の宇宙船との通信を可能にしている。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた銀河の息を呑むような画像や、マーズ・ローバー「パーセヴィランス」から送られてくる最先端の科学データ、アルテミス1号が月の裏側から送信した歴史的な画像など、地球に届くすべてのデータは、DSNの巨大な電波望遠鏡アンテナを通じて受信されている。

2024年には、過去60年間の歴史的な貢献を称えるイベントが、DSNの地上施設やサービスを管理するNASAの宇宙通信ナビゲーションプログラムによって開催される予定だ。40以上のミッションがDSNに依存しており、今後の数年間でその2倍のミッションをサポートすることが期待されている。そのため、NASAは新しいアンテナや技術、アプローチによって、この重要なグローバルインフラを拡張・近代化することを目指している。

DSNはロボット探査機だけでなく、月面有人ミッション「アルテミス」も支える重要な役割を担っており、次段階のDSN近代化が必要不可欠となっている。光通信技術の導入により、より多くのデータを送信できる可能性がある。また、既存の電波アンテナに光端末を組み込む「ハイブリッドアンテナ」の研究も進められている。1958年の設立以来、DSNは技術革新を推進しており、宇宙探査と科学的発展の次の60年に向けた堅固な基盤となっている。

Source: https://www.nasa.gov/technology/space-comms/deep-space-network/nasas-deep-space-network-turns-60-and-prepares-for-the-future/