アメリカ航空宇宙局(NASA)は3日、超音速旅客機の実験機X-59の初飛行を2024年に予定していると発表した。

X-59は静かなソニックブーム(衝撃波)技術の実証を目的とした実験機で、NASAは主契約者のロッキード・マーティンと共同で開発を進めている。機体設計から新技術の組み込み、F-16から流用した着陸装置、F-15から改造した生命維持システムなど、複雑な工学的作業が必要とされた。

当初は2023年内の初飛行を予定していたが、システムの完全な統合と機体制御コンピューターの不具合解決に更なる時間が必要と判断し、2024年に先送りされることとなった。

X-59は超音速で飛行しながら、大きなソニックブームを弱めることができる静かな超音速技術の実証が目的。NASAはX-59を複数のコミュニティ上空を飛行させ、住民が感じる騒音データを収集する計画だ。これにより、現在は超音速飛行を禁止している国内外の規制当局にデータを提供し、商用超音速飛行の規制変更につなげることを目指している。

NASAにとって最優先事項は安全性とミッションの成功である。X-59には飛行前の安全性確保はもちろん、長期的な安全性と信頼性が求められる。現在は地上総合試験が進められており、これが完了した後に飛行準備レビューを経て、より具体的な初飛行日程が発表される予定だ。

X-59ミッションは、商用航空の飛行時間を大幅に短縮できる可能性を秘めている。NASAはこのミッションの成功に向け、徹底的なレビューと試験プロセスに取り組んでいる。

Source: https://www.nasa.gov/es/la-nasa-anticipa-el-primer-vuelo-del-avion-experimental-x-59-para-2024/