アメリカ航空宇宙局(NASA)は1月4日、火星を飛行しながら地表も調査できる多目的探査機「火星空中地上総合知能探査機(MAGGIE)」の概念設計を発表した。

MAGGIEは、火星の大気を飛行できる固定翼機体に垂直離着陸能力を持たせた画期的な機体設計だ。航空機としての効率を極限まで高め、ソーラー発電で飛行できるように設計されている。巡航速度は時速900kmで、通常の亜音速機の10倍の揚力係数を実現。これにより、火星の薄い大気の中を飛行できる。

MAGGIEは、1回の充電で最大179kmの航続距離を持ち、1火星年で最大16,048kmの航続が可能だ。提案されたミッションでは、火星の磁場やメタンガス、水の調査を行う。

NASAによると、MAGGIEは火星全体の大気観測が可能な初の航空機となり、火星探査の可能性を大きく広げるコンセプトだという。インジェニュイティヘリコプターの成功に続き、MAGGIEは火星での航空機運用の有用性を示すと期待されている。

概念設計は実現可能性が示されたが、詳細設計と火星環境での検証が必要としている。

Source: https://www.nasa.gov/general/mars-aerial-and-ground-global-intelligent-explorer/