アメリカ航空宇宙局(NASA)は1月4日、2024年度の「NASA先進概念イニシアティブ(NIAC)」の第1フェーズの採択12件を発表した。NIACはNASAが先進的な宇宙概念を育成するために実施しているプログラムで、今回採択された12件の研究課題は、太陽系探査や将来の有人宇宙飛行に関する革新的なアイデアを含む。

例えば、金星の表面からのサンプルリターン、火星での大規模な水の採取、あるいはプロキシマ・ケンタウリへの群小宇宙船の送達など、SF的なアイデアも含まれる。これらの研究は、NASAの将来のミッションに役立つ新技術の発展につながる可能性がある。

採択された研究課題の研究機関と研究者は以下の通り。

– 太陽系規模VLBIによる宇宙距離測定の飛躍的改善(ワシントン大学、マシュー・マッキン)

– 月面長基線光学撮像干渉計(NASAゴダード宇宙飛行センター、ケネス・カーペンター)

– 火星移動用マグネトハイドロダイナミック推進(ジョージア工科大学、アルバロ・ロメロ=カルボ)

– 薄膜同位体核ロケットエンジン(チャールズ・スターク・ドレイパー研究所、ジェームズ・ビックフォード)

– 火星空中地上統合探査機(コーフロー・ジェット社、ゲー・チェン・ジャ)

– 火星での大規模水採取における外来生命体スクリーニング(応用分子進化財団、スティーブン・ベナー)

– 火星の除染: 全存在する過塩素酸の生物触媒的除去(NASAエイムズ研究センター、リン・ロスチャイルド)

– プロキシマ・ケンタウリを群で飛翔: 星間距離を飛ぶコヒーレントなピコ宇宙船の群(スペース・イニシアティブズ社、トーマス・ユーバンクス)

– 小型衛星対応放射計測のための軽量ファイバーベースアンテナ(ワシントン大学、ベイジア・ジャン)

– 宇宙健康のための動物の冬眠研究(ファウナ・バイオ社、ライアン・スプレンガー)

– 金星表面からのサンプルリターン(NASAグレン研究センター、ジェフリー・ランディス)

– 自律トリチウム微小電源センサー(シティ・ラボ社、ピーター・カバウイ)

– 火星有人探査を可能にする電気発光冷却ゼロボイルオフコールドプロペラントデポ(UCLA、アースワス・パッタビ・ラマン)

Source: https://www.nasa.gov/general/niac-2024-selections/