アメリカ航空宇宙局(NASA)は1月4日、「動物の冬眠を研究して宇宙飛行士の健康維持に役立てる(STASH)」という画期的な惑星間宇宙旅行のアプローチについて発表しました。

発表によると、非モデル生物を医学研究に用いることは、すでに人間の健康に大きな影響を与えている拡大しつつある分野だとしています。 ほ乳類の冬眠という顕著な表現型は、地球上の潜在的な人間の健康応用にとって独特の生理学的・代謝的なメリットをもたらすとされています。 これらのメリットは、宇宙旅行の物理的・精神的な健康リスクを軽減する可能性も秘めているとしています。

発表では、微小重力環境での冬眠研究のための宇宙基地インフラが現在存在せず、微小重力下での冬眠はこれまで研究されていない重要なギャップがあると指摘。国際宇宙ステーション(ISS)で使用するための微小重力冬眠実験室「STASH」の設計と実装により、このギャップを埋めることを提案しています。

STASHプロジェクトの短期目標は微小重力環境における冬眠の基礎科学の新規調査であり、中長期的には冬眠研究の翻訳応用や、人間の合成冬眠による火星有人ミッションでの宇宙旅行の健康リスク軽減などの実現を目指しているとしています。

Source: https://www.nasa.gov/general/studying-torpor-in-animals-for-space-health-in-humans/