アメリカのNASAの発表によると、
2024年1月8日月曜日、フロリダ州ケープカナベラルから、アストロボティック社のペレグリン1号着陸船に5つのペイロードを搭載し、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスのヴァルカンロケットで月面に送ると発表した。
このCLPS(Commercial Lunar Payload Services)イニシアチブの下での初めてのミッションは、月面の水分子を探査し、着陸船周辺の放射線とガスを測定し、月の希薄な大気(月面の薄いガス層)を評価することを目的としている。これらの測定により、太陽放射が月面とどのように相互作用するかについて理解が深まるだろう。また、ペイロードは2026年に月面のグルイツイゼン・ドームに着陸予定のルナ・ヴィス(Lunar-VISE)装置にもデータを提供する。
NASAの科学ミッション部門の責任者ニコラ・フォックス氏は「このビジョンが現実のものとなるのをとても楽しみにしている。CLPSはアメリカの企業を活用して、月に重要な科学技術ペイロードを送る革新的な方法だ」と述べた。
ペレグリン着陸船は2月23日に、月の表面の固化した溶岩でできたグルイツイゼン・ドームの外側、シヌス・ヴィスコシタティスに着陸する予定だ。地球上の同様の天然構造物は大量の水を必要とするため、この着陸地点は月における水の証拠を含む可能性がある。
ペレグリン1号に搭載されるNASAの5つのペイロードには、月面の放射線環境を測定するLETS、月面の土壌の組成と温度、構造を明らかにするNIRVSS、水の存在を間接的に検出するNSS、月の希薄な大気の成分を調べるPITMS、着陸船との距離を正確に測定できるLRAなどが含まれる。
CLPSイニシアチブは2018年に始まり、月面と月周回軌道における科学、探査、技術開発を目的とした調査を商業的に実現する市場を確立することを目指している。NASAはCLPSを通じて、アルテミス計画の下での有人ミッションを支える月環境と月経済についての新たな知見を得たいと考えている。