アメリカ航空宇宙局(NASA)は1月12日、超音速旅客機X-59のロールアウトセレモニーをカリフォルニア州パームデールのロッキード・マーティン社スカンクワークス工場で行った。X-59は、ソニックブームを抑えた静かな超音速飛行を実証するためにNASAが開発した実験機である。

セレモニーにはNASAとロッキード・マーティンの幹部が出席し、完成したX-59のお披露目が行われた。X-59は昨年6月に組み立てが完了し、この日が初公開となった。

NASAのキャサリン・バーム計画マネージャーは、ロールアウトを「クエストミッションの重要なマイルストーン」と位置付け、X-59がソニックブームを抑えられることを実証し、陸上超音速飛行の規制変更につなげることを期待するコメントを出した。

航空機のロールアウトセレモニーは、年月をかけて設計・製造された新型機が世に出る瞬間で、NASAの歴史的航空機であるX-15やスペースシャトルエンタープライズのロールアウトも記念すべき出来事だった。X-59のロールアウトは、ソニックブームの静粛化による新時代の幕開けを告げる意味がある。

X-59は今後、地上試験を経て初飛行に入り、複数の米国都市上空を飛行して住民の反応を調査する。これにより、ソニックブーム規制の緩和に必要なデータを集める計画だ。NASAはX-59により、速度ではなく騒音レベルで超音速飛行を規制する新基準の実現に期待を寄せている。

Source: https://www.nasa.gov/aeronautics/x-59-rollout-preview/