アメリカ航空宇宙局(NASA)が1月9日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いて観測した褐色矮星W1935にメタンの赤外線放射が検出されたと発表しました。
褐色矮星W1935は、主星を持たない孤立した天体であるため、大気の上層を加熱しメタンを発光させるエネルギー源がないことが予想されていました。しかし、今回の観測でメタンの赤外線放射が検出されたことから、オーロラによる大気の加熱が示唆されています。
NASAの説明によると、木星や土星などのガス惑星では、太陽風との相互作用によってオーロラが発生しています。一方、主星のないW1935では、太陽風による効果はないため、メタン放射のメカニズムは謎とされています。NASAの研究チームは、内部プロセスや近傍の衛星との相互作用などが関係している可能性を指摘しています。
今回の発見は、太陽系外でのオーロラの最初の事例とされており、宇宙におけるこの現象の理解を大きく前進させる成果だと期待されています。