アメリカのNASAの発表によると、ハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測で、これまでで最も遠方かつ強力なフラストレートラジオバースト(FRB)が検出された。FRBは一瞬にして銀河全体を輝かせるほどのエネルギーを放出する謎の現象で、これまでに数百例が観測されているが、その起源は不明だ。

今回のFRBは、宇宙が誕生して50億年後の時代に存在した銀河団から発生したとみられ、これまでに検出されたFRBの大半が孤立した銀河から来ていることと対照的だ。FRB 20220610Aと命名されたこの信号は、2022年6月10日にオーストラリアのASKAP電波望遠鏡で最初に検出され、チリのVLT望遠鏡で遠方由来を確認した。

ハッブル宇宙望遠鏡の鋭敏な観測により、このFRBが1つの巨大銀河からではなく、7つの銀河が合体しつつあるような複雑な環境から発生したことが明らかになった。FRBの起源を解明するためには、このような変わった環境で発生する事例をさらに観測していくことが重要だと研究チームは述べている。

Source: https://science.nasa.gov/missions/hubble/hubble-finds-weird-home-of-farthest-fast-radio-burst/