アメリカ航空宇宙局(NASA)は1月11日、月面や火星での有人探査ミッションに向けた極低温流体管理技術の開発状況について発表した。

NASAによると、月面基地や火星での長期滞在ミッションには、液体水素や液体酸素などの極低温流体を大量に保管・輸送できる技術が不可欠とされる。しかし、これまでの宇宙機では極低温流体を数時間程度しか保管できなかったため、NASAは2024年と2025年に民間企業と共同で軌道上での技術実証を行うことを発表した。

実証実験では、液体水素を用いて温度管理、残量計測、軌道上での移送などの技術を検証する。また、月面での実証実験も計画されている。これらの技術は、アルテミス計画やそれ以降の火星有人探査に不可欠とされる。

NASAは「極低温流体の長期管理はNASAやパートナーにとって未知の領域」とし、「将来ミッションの成功にはこれらの技術が欠かせない」と強調した。極低温流体管理技術の開発は、月や火星での資源利用も可能にし、有人宇宙探査の新時代を切り拓くと期待されている。

Source: https://www.nasa.gov/centers-and-facilities/glenn/brr-its-cold-in-here-nasas-cryo-efforts-beyond-the-atmosphere/