アメリカ航空宇宙局(NASA)は1月12日、2023年の地球の平均気温が観測史上最も高かった年だったとする分析結果を発表した。NASAのゴダード宇宙科学研究所(GISS)によると、2023年の地球の平均気温は、NASAの基準期間(1951年~1980年)の平均よりも約1.2度高かった。
NASA長官のビル・ネルソン氏は「NASAと米国立海洋大気局(NOAA)の地球温暖化報告は、世界中で何十億人もの人々が昨年経験したことを確認している――私たちは気候危機に直面している」とコメント。極端な熱波、山火事、海面上昇など、地球の変化が目に見えているとした上で、バイデン大統領と米国のコミュニティがこれまでにないほどの行動を起こし、NASAは宇宙から重要な気候データを集めて全ての人々に理解しやすく提供する使命があると述べた。
GISS所長のギャビン・シュミット氏は、「人類が経験したことのないような異常な温暖化が進行している。その主因は化石燃料からの排出ガスであり、熱波、集中豪雨、沿岸部の洪水といった影響が現れている」と指摘した。
NASAは公開された気温データと解析コードを用いており、米国立海洋大気局(NOAA)や英気象庁ハドレー中心も独自の分析で2023年が観測史上最も暑かった年との結論を出している。気候変動への緊急で継続的な対応が必要だとNASAは強調した。