アメリカ航空宇宙局(NASA)が1月18日に発表したプレスリリースによると、ハッブル宇宙望遠鏡が銀河の衝突現場をとらえたという。

この画像は、2つの銀河NGC 6040とLEDA 59642が衝突し合う様子を捉えている。NGC 6040は傾いた渦巻き銀河、LEDA 59642は正面から見える円形の渦巻き銀河で、現在激しく衝突している最中だ。このドラマチックな出来事は、地球から約5億7000万光年離れた遠方で起きている。

銀河の衝突は非常にエネルギーの大きな出来事だが、その時間スケールは非常にゆっくりである。例えば、天の川銀河とアンドロメダ銀河は、今後40億年程度のうちに衝突する運命にある。衝突と合体のプロセス自体にも、数億年を要するだろう。これらの衝突がこれほどゆっくり進行するのは、関わる距離が極めて大きいためである。

銀河は星やその周囲の物質などから構成されているため、銀河同士の衝突ではこれらの構成要素に加えられる重力が劇的に変化する。時間とともに、衝突している銀河の構造は完全に変わっていき、最終的に1つの銀河に合体することもある。今回の画像で捉えられた衝突でも、その結果1つの銀河が誕生する可能性がある。銀河の衝突によって生まれる銀河は、不規則な構造を持つことが知られている。

Arp 122が衝突を終えた後どのような姿になるのかを知るのは興味深いが、それが実現するには更に長い時間が必要だろう。

Source: https://www.nasa.gov/image-article/hubble-captures-a-monster-merger/