アメリカ航空宇宙局(NASA)の発表によると、1月8日に月面着陸を目指して打ち上げられたAstrobotic社の商業月面輸送機「Peregrine」号が、推進系統の不具合により月面soft landingを断念し、1月18日午後4時4分(米東部時間)、南太平洋上空で大気圏再突入を果たした。

Peregrine号は、NASAのCLPS(Commercial Lunar Payload Services)計画の第一号機として、NASAの科学技術実験装置を含む貨物を月面に輸送する任務に就いていた。CLPS計画は、アルテミス計画の一環として、民間企業と連携しながら月面での科学探査や商業開発を推進することを目的としている。

Peregrine号に搭載された5つのNASA実験装置のうち4つが飛行中に正常に作動し、宇宙線や化学物質等の観測データを収集することに成功したと発表された。NASAはこれらのデータを解析し、今後のCLPSミッションや有人ミッションに活用していく考えだ。

Astrobotic社は今回のミッションで得られた貴重なデータを基に、今後もNASAと協力しながら月面輸送サービスの改良に取り組んでいく方針だ。

Source: https://www.nasa.gov/news-release/nasa-science-astrobotic-peregrine-mission-one-concludes/