ヨーロッパの衛星測位システム「ガリレオ」が、離陸から着陸までの民間航空機の誘導に利用できるレベルに引き上げられたと、欧州宇宙機関(ESA)が1月29日に発表しました。

ガリレオはすでに世界で最も精度の高い衛星測位システムですが、離陸や着陸といった最も重要な航空機操縦時には、ヨーロッパの補強システムEGNOSに依存していました。ガリレオは当初、人命に関わるような重要な航空機誘導を想定した設計ではありませんでした。

ESAのエンジニアチームは2016年からガリレオの信頼性と精度を引き上げる作業を開始。軌道上の衛星の再設計はできないため、地上局のソフトウェアを調整することで、システムの監視と通知機能を改善しました。

2023年3月、国際民間航空機関(ICAO)はガリレオを、離陸から着陸までの民間航空機誘導に利用できると正式に認定しました。これによりヨーロッパの衛星測位システムは、飛行のすべての段階を支援できるようになり、航空の安全性が一層向上することが期待されています。

ESAによるこの技術的成果は、ガリレオの高い柔軟性と適応性、そしてESAの卓越した技術力によるものだと評価されています。ガリレオはEUの主要宇宙開発プログラムの一つで、ESAが設計・開発を主導しています。

Source: https://www.esa.int/Applications/Navigation/Galileo/Galileo_now_fit_for_aviation